るりぼんの凡汎日記

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おススメの美味しいと思ったもの、良いと思ったものを勝手に紹介するブログ

やっと会えた

今週のお題「怖い話」

 

息子が小学生の時の話です。

入学当初より息子が仲良くしていたМ君のお母さんに、保護者会でお会いした時に声をかけられて以来、たまにランチしたりするようになりました。

М君には3歳上のお兄さんがいるので、お母さんは上の子の保護者とのお付き合いで忙しく、私とは保護者会の前にランチしたり、運動会などの行事の時に顔をあわせる程度でしたが良好な関係は続いていました。

ある時から急に姿を見なくなったので電話してみると

「ちょっと病気して療養中だけど元気だから安心して」との事でした。

子宮筋腫が大きくなったので取ってみたら赤ちゃんぐらいの大きさでビックリよ。取った分体重が減る筈なのに、何故か変わらなくて不思議よね」

とケラケラ笑っていたのに、亡くなったと連絡を受けたのはそれからすぐでした。

子宮筋腫ではなく癌で、あちこち転移していたそうです。

お見舞いにも行けぬまま、二度と会えなくなったことが悔やまれてなりませんでした。

 

亡くなって3ヶ月位過ぎた頃でしょうか、とてもリアルな夢を見ました。

地下鉄のホームでМ君のお母さんを見かけて、嬉しくなり駆け寄り「やっと会えた!」と言いたいのに声が出ません。

ふり絞って声を出そうとしていたら、М君のお母さんが私に気付いて振り返り、顔を近づけてきてのぞき込みます。そして、

「やっと会えたわね」と笑顔を見せてくれました。

 

М君のお母さんの声で目が覚めたと朝食の時に家族に話すと、蒼ざめた息子が

「ぼくもお母さんと、М君のお母さんが駅のホームで話している夢を見た!」と言うのです。

「ぼくはお母さんに、М君のお母さんは死んでいるんだから話したら駄目だ、と何度も叫んで目が覚めたんだ!」

親子で同時に、同じ夢を見るなんて不思議としか言いようがありませんでした。

今でも、М君のお母さんがのぞき込んできた時の笑顔をはっきり覚えていますし、「やっと会えたわね」という声も鮮明に耳に残っています。

 

もし息子が止めてくれなかったら、私も向こう側に行っていたのでしょうか。